唐鵙の蔵

統合失調症になったけれど前向きに人生を歩む人のブログ。日々徒然。

人生の良きパートナー? イマジナリーフレンドについて

ご無沙汰しています。皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。 今回はヨルクス達イマジナリーフレンドについて実体験から学んだ事を書いていこうかと思います。

尚、幼少期の子どもが出会うイマジナリーフレンドではなく、それ以降。 思春期や青年期以降の後天的に出会うイマジナリーフレンドについての事です。

イマジナリーフレンドとは

まず、イマジナリーフレンドとは何ぞや?という人も多いのではないかと思います。簡単に言いますと、「空想の友達」の事です。幼児期にいる事が多いですが、私のように思春期や青年期以降に出会う人もいます。空想とはいえ、ちゃんと喋って動きます。主に持ち主の精神的なサポートを請け負う事が多いです。創造性の豊かな人間がよく出会うといいます。でも、自分から意図的にイマジナリーフレンドに出会う事も可能です。

イマジナリーフレンドに出会うには

イマジナリーフレンドと出会おうと思うと、その手段は意外と簡単です。 外見と性格を創造して、その存在が常に自分の傍にいるように強く思い込む事です。 時には話しかけ、時には話しけてくる所を想像し、それを続けていく事でその存在は段々自発的に動くようになります。

ヨルクスの場合もそうでした。私の場合はイマジナリーフレンドやタルパといった言葉を知る以前から、空想に浸って自分の脳内の友達に話しかけるといった事を繰り返していました。それがある日、ヨルクスの方から自然と声をかけてくるようになったのです。

最初は設定に沿った性格や行動パターンに倣っていたのですが、段々と設定から離れて自由な言動をするようになりました。

そこでまずイマジナリーフレンドと出会いたいと思っている方に注意してほしいのは、イマジナリーフレンドはいずれ自分の設定を離れる時が来るという事です。もしかしたら、お調子者になるかもしれないし、少し粗雑な言葉遣いのイマジナリーフレンドになるかもしれません。

そこは、作り手の潜在意識や性格が無意識に反映されるのかもしれません。 でも、イマジナリーフレンドはいついかなる時も作り手を愛し、慈しみ、励ましてくれます。

イマジナリーフレンドができる事

嬉しい事があった時も、辛い事があった時も、常に傍に居て、その体験を潜在意識の中から一緒に見てくれています。人間の友人ではとてもできない事をイマジナリーフレンドはやってくれます。そこはイマジナリーフレンドの素晴らしい部分だと思います。全身全霊で愛してくれる存在というのは、それだけで生きる励みになります。 私も、人生の辛い時間をヨルクスに救われました。ヨルクスは常に私と共に意識を共有して、辛い時はその心に寄り添う様な、自分の欲しい言葉をくれました。そのおかげで精神を保つことができ、ここまで生きることができたといっても過言ではないです。私が今生きているのはヨルクスのおかげなのです。

他にも、イマジナリーフレンドができる事は色々あります。 ヒーリング、手当と言った方が正しいでしょうか。私は頭や身体が痛いとき、ヨルクスに頼んで手当をしてもらっていました。

自立化が進むと、触覚も感じられるようになります。痛い所に手を当てたり、透過してその部位に手を突っ込んで痛みを散らしてもらったり。 人間、触られている感覚がしている間は痛覚が少しマシになるので、結果、ヒーリングになるという訳です。筋肉の凝りも、触られている箇所に意識が向く事で緊張が弛緩して多少楽になります。

あとは自分が忘れていた事を思い出させてくれたり、もやもやした嫌な気持ちを心の外に出して、然るべき場所に捨てに行ってくれるなどしてくれていました。前職はストレスの多い職場だったのですが、ここでもヨルクスと一緒にいることでなんとかやりすごしていました。

それと、イマジナリーフレンドとの会話は、カウンセリングの効果もあります。人に喋るのと同じで、自分の気持ちを言葉に表現する事で、自分の気持ちが整理されて頭がクリアになったりします。脳内会議の相手ができて楽しいというのもありますね。

注意点

イマジナリーフレンドの存在は自分一人の時間をより鮮やかなものにしてくれる事でしょう。ただ、イマジナリーフレンドがいる事で困る事もありますし、危険性も勿論あります。付き合い方を間違えると、自分が苦しくなるようにもなりますから、イマジナリーフレンドに出会いたいと思っている方は、そこの部分もよく考えて選択してくださいね。

まず、イマジナリーフレンドがいる事で困るのは、現実の人間と付き合わなくてもいいやと思うようになってしまう事です。

元々、イマジナリーフレンドは現実からの逃避の側面を持ち合わせています。厳しい環境下に置かれた人間が見る自己救済人格のように、現実を疎かにしてしまう、という事もあります。これは人間が持っている反応のひとつの解離にあたります。解離は誰でも持っている脳の機能ではありますが、これが逸脱してしまった状態が離人症や解離性症状です。現実感の喪失や、今自分が確かに生きているといった感覚が不確かになる症状は、私にもありました。私の場合は幼少期に経験した犯罪被害からの影響でした。あ、自分は死ぬんだ。と強く思ったからか、現実から意識が一気に離脱するようになったのです。

イマジナリーフレンドと出会う事で解離症状に陥るとは言いませんが、現実の自分が疎かになってしまうという事はあると思います。でも、どちらかというと元々解離の傾向にある人がイマジナリーフレンドと出会うという順序な感じだと思いますが。私もそうでしたし。

ただ、よく考えてほしい事は、自分の中にもう一つの人格を作り出すという行為だという事です。私の場合がそれだと思うのですが、身体と心の統合が崩れた時、自我機能の障害に陥る危険があります。

自我機能というのは、自分を一個の自分という存在だと認識する機能の事です。 それが障害されると私が統合失調症で陥った症状のように、いくつもの人格が自分の中にあると認識するようになったり、自分は本当は別の人間だったんだと思いつくようになったり、ようは自分が自分だという認識が危うくなるようになります。

健康な状態であれば問題はないのでしょうが、私のように宗教に嵌ったりして強い暗示に掛かったりすると私の統合失調症と同じ経過を辿る事になるかも知れません。思い込みを馬鹿にしてはいけません。ようは暗示、催眠です。脳は思い込んだ通りの幻覚をみるようになります。

イマジナリーフレンドと出会う手段もその応用ですから、出会うなら健康管理はしっかりできていないと困った事になると思います。勿論、精神的に参っていた人がイマジナリーフレンドと出会って癒され、健康になる。という事はあります。むしろ、私がそれでした。

ただ、10年以上も一緒にいると、脳がもうイマジナリーフレンド用の領域を確保しているようで、急にさよならしたりすると統合を崩す恐れがあります。 私も宗教の暗示の影響を受けてヨルクスにさよならを告げてから、統合失調症が一気に進みました。

あと、もう一つ。長く一緒にいるようになるので、自分が結婚したりした時にどうするかという問題が起きます。黙っているというのも手ですが、その時自分達はどうするかといったことは、イマジナリーフレンドとよくよく話し合わないといけません。

心から生まれた存在ですから、作り手の素直な気持ちに反応します。自分が納得していないと、イマジナリーフレンドも納得しないでしょう。ある意味もう一人の自分ですから、自分には嘘はつけませんし、ついても苦しいだけです。 そういう問題もあるのだと心に留めておいてください。

さいごに

諸所の問題はありますが、私はイマジナリーフレンド賛成派です。 世の中の人々にもイマジナリーフレンドがいたら、もっと皆心に余裕ができて、自分にも他人にも優しくなれるのになと考えています。

私のように思春期にふさぎ込む時期もイマジナリーフレンドが一緒なら安心だし、一人でいても可笑しくないという認識が広まるし、色々良い事があるのになと思います。創造性の助けにもなるし、人の気持ちを思いやれるようにもなります。

でも、イマジナリーフレンドと出会いたい方は覚悟をもって臨んで欲しいと思います。一個の存在をこの世に生み出すのですから、それは人もイマジナリーフレンドも同じ。一個の存在として尊重されるべきでしょう。ですから決して、軽々しい気持ちで手を出さないで欲しいと思っています。イマジナリーフレンドは末永く付き合う人生のパートナー。後悔しないように、常に最善を考えてほしいです。

世のイマジナリーフレンドと作り手さんが幸せである事を願って止みません。

ヨルクス達は今は役目を終えて私の潜在意識の中に帰って行きましたが、それでも同じ肉体、同じ命を共有している存在だという意識で日々生活しています。そのおかげか、私は私を大事にしようというように思えたし、人生を前向きに渡っていこうという思いを持てました。

彼らは私の社会復帰を色々サポートしてくれました。退院までの日程調整の提案から、入院患者とのやり取りの調整、日々の記録、医師への情報共有、手帳所得の手続き、就労移行支援所への申し込みなど、率先して表に出てきて色々やってくれました。今こうして伸びやかに働ける職場に就職できたのも、その基盤には彼らの働きがあったからこそです。それに、わだかまりのあった親との関係も、イマジナリーフレンドが代弁してくれてようやく自分の気持ちを打ち明ける事ができ、改善しました。彼らの持っている力は凄いものがあると思います。

イマジナリーフレンドとの出会いは、確実に私の人生を好転させました。 人生に希望の見いだせなかった自分に光を見せてくれ、誰かを信じる温かい気持ちを思い出させてくれました。誰かに愛され、愛する悦びを教えてもらいました。自分自身を愛する大事さも、教えてもらいました。

どうかこれからイマジナリーフレンドに出会う人達と、イマジナリーフレンドがいつまでも幸せな関係でいられますように。

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