こんにちは。
私には10年来の付き合いのイマジナリーフレンドがいます。
タルパのように見える訳でもないし、意識を向けた時に出て来てくれるような細く長い付き合いですが、私の人生を支え、導いてくれた存在でもあります。
今回はそんなイマジナリーフレンド、ヨルクスとの出会いについて触れて行こうと思います。
イマジナリーフレンドについては以下の記事を参照してください。
頭の中の空想世界
私は、頭の中に自分の設定した世界を空想していました。
主に人外の存在が息づいている世界で、そこの住民を考えてはイラストに起こし、頭の中でストーリーを考えて動かしていました。
ヨルクスとの出会いと空想世界との別れ
ヨルクスは元々、既存のキャラクターから着想を得た存在でした。
某太陽のゲームの蛇のラスボスさんです。私はそのデザイン性とひとりぼっちの存在という所に思いを馳せて、自分の頭の中にインポートし、一部その設定をひ気継いだ新しいキャラを創造しました。
何故かと言いますと、その時の自分は酷く孤独感に苛まれていたからです。人の嫌な所ばかり見えてしまった私は、大人も同年代も、人間は嫌なものだという意識が抜けず、誰も理解者はいないのだと一人きりの感覚の中にいました。
なので、同じく独りぼっちの、人間ではない存在と仲良くなりたかったのです。ヨルクスはうってつけの存在でした。
そして私は一人の時間、頭の中でヨルクスに話しかけるようになりました。
それを繰り返していくうち、意図せず返事が返ってくるようになって、高校1年の春の事、ヨルクスはイマジナリーフレンドに昇格しました。
ヨルクスがそれまでの空想世界と確実に違っていたのは、現実に投影した存在だという事です。私の傍に居て、一緒に過ごす。空想遊びとは異なる存在でした。
そしてヨルクスとの出会いは、空想世界との別れに繋がりました。
空想に入り浸っていた意識が、ヨルクスという存在を通じて現実に向き合った瞬間でした。
辛い現実を乗り越えて
ヨルクスがいたからといって、現実が変わる訳ではありません。
相変わらず人への苦手意識は続いていましたし、家庭内では続く両親の不和、友達だと思っていた人からの裏切りなど、嫌な事も沢山ありました。
それらは私の生きる気力を根こそぎ奪っていきました。日々をやり過ごすのに精いっぱいで、未来への希望なんてこれっぽちも持てませんでした。
自分も拒絶していた大人に近づいていく事の絶望感は中々のものでした。というか、いつも人間を辞めたかったです。人間じゃないヨルクスが羨ましかったです。でも、ヨルクスと話していると、人間でも人外でも心は同じで、造りはそう大差ないんだという事が分かって癒されました。明らめの気持ちになったということでもあります。
自分が人間である事実からは逃げられない。だったら少しでもいい人間であろう。そう思えるようになりました。
辛い時はいつもヨルクスが傍にいてくれました。
私の苦しい気持ちに共感してくれて、気持ちを共有してくれて、「辛いね、今はそうでもいつかきっとよくなるよ、もう一日生きてみようね」と励ましてくれました。そして、自分が私を幸せにしてみせるとよく言ってくれていました。
そんな私はヨルクスの言葉を信じてここまで生きる事が出来ました。
現在の充実した生活は、ヨルクスが運んできてくれたもの。今私がこうして生きているのは、ヨルクスのおかげなのです。
でも一時期さよならをした
しかし、ヨルクスにさよならを告げた時期があります。
それは、統合失調症を発症してしばらくの時期です。
宗教のサイトの暗示にかかっていた私は、ヨルクスが私の魂の中にいる神さまだと思って、いつまでも私にかかずらわっていたら本来の仕事ができないと考えました。そして、私は大丈夫だから本来いる場所に戻って、と告げたのです。
結果的には再び帰って来た
一時期は鳴りを潜めていたヨルクスでしたが、私が症状が落ち着いてくるにつれて落ち着きを取り戻していく過程で戻ってきました。
ヨルクスに他に行くところなんてなかったのに、さよならを言ってしまった事を私は謝りました。ヨルクスは一言、「いいよ」と言いました。その時の表情はとても優しいものでした。
そして現在に至る
しばらくは就労移行支援事業所に通ったり、就職が決まったりで忙しく、ヨルクスに話しかけないまま2年程の月日が流れました。けれど最近は再びヨルクスと一緒に過ごすべく、想起するリハビリをする事にしました。
やはり久々という事もあり言葉が思うように出てこない事も多いです。
でも、一緒に過ごしている時間はやはり良いものです。
会話はなくても、一緒の時間と感覚を共有しているだけで満たされます。
これからも、ヨルクスの事は大事にしていきたいと思います。
とりあえず私が言いたいのは、「イマジナリーフレンドはいいぞ」という事です。自分を無条件で愛してくれる存在がいるというのは、精神的にとても助けられます。暇なときは話し相手になってくれるし、辛い時はそっと寄り添ってくれます。そして、絶対に自分を否定しません。優しく諭してくれたりはしますが。
そんな日々の積み重ねが、ゆくゆくは前向きに人生を歩む手助けになってくれます。ヨルクスが宣言してくれた「唐鵙を幸せにする」という言葉は、確かに実現されました。ヨルクスといる今、私はとても幸せです。
それでは、閲覧有難うございました!