そういえば、入院中に生じていた思考を思い出しました。
あの時は、皆が皆同じような事を考えるモノだなぁと今なら思えます。というのも、誰かがこっそりと自分を迎えに来るという妄想です。私もしっかり妄想患者だったなぁと思えて、少しクスリとします。
皆さん、朝になると、自分の妄想話を自慢げに、楽しそうに交換します。ので、皆が同じような妄想に引っ張られるという事になります。私自身が思い描いた空想が誰かに伝わっているのではないかという伝播妄想にも掛かりました。心霊が自分に掛かっていて、それを火で清めるという妄想もありましたね。
そうなると、いったいどこからそういうのが始まるのかというと、大抵はテレビや本からだと思います。妄想の材料になるわけです。頭の中で関連妄想となり、それがさも正しい事のように患者には思えて来る訳です。妄想に時間も何もありません。その時から正しい思想だという想い込みが生まれますから、自分にとっては今まさに自分の身に掛かっている事だと思えるのです。
だから、私も皆の妄想話を小耳にはさみ、なんで自分に起きている事があの人に知られているのだろう? と思う時が幾らかありました。私は妄想話はしませんでしたが、その分、ノートに沢山書き込みました。筆談で、見えない彼らとやりとりをしました。
私の妄想の情報源は例の宗教ブログと今まで見てきたゲームの世界観などでした。だからか、私の妄想は魂の仕組みをノートに書き綴ったり、自分の魂が肉体を離れて使命の為に飛び回っているなどといった神秘系の妄想が多かったです。
そして妄想が妄想を呼び、設定は練り上げられ、濃度を増しました。同居人達はそんな妄想の中から生まれた者達でしょうか、先に彼らがあったのか、先に妄想が生じたのかは分かりませんけれど。